院長ごあいさつ

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 院長挨拶のページにようこそ。東徳島医療センターのホームページをご覧いただきありがとうございます。私が着任して2年半が経過し、今回で挨拶もver.3となりました。時間があればver1,2もご覧ください。
Ver1で自己紹介、Ver2で病院紹介、Ver3では私がこの2年間に携わったことを少しご紹介します。

1,新しい理念の作成
2,地域包括ケア病棟への移行
3,政策医療の充実
4,徳島病院との統合
5,電子カルテの導入

 
 先ず、着任早々気になったのは理念が壁の飾りになっていたことでした。理念が無ければ組織を動かす舵がないようなものです。そこで皆が参加できるように理念を募集しましたが、集まらず、関心のない事が良く分かりました。そこで副院長に多職種で構成される未来を考える会の立ち上げを依頼し、先ずはいくつかキャッチコピーを作り、90%以上の職員が参加して選ばれたのは“やさしい笑顔とよりそう医療”でした。長い理念は覚えられません。次にキャッチコピーに合わせた理念“やさしい笑顔で患者さんに、心のかよった医療を行います。地域の皆さんに愛され信頼されるよう、ともに歩み、寄り添う医療を提供します”を作りました。理念は覚えるものでも、飾るものでもなく、職員の心に浸透して初めて目に見えるものになっていくと感じています。
 
 次は医局の反対意見が多く前院長からの課題でもあった地域包括ケア病棟への移行でした。院長が決めて押し付けることは簡単ですが結果はどうでしょう。職員が納得して始めなければ上手くいきません。地域包括ケア病棟は医師にとって下請け感の強いものでした。しかし、着任早々長期公経済負担(機構病院だけの基礎年金負担)が始まり、かなりの赤字に陥り赤字対策は急務でした。医局会での議論の末、医師の協力を得て、着任してから1年後の2017年5月にやっと地域包括ケア病棟がスタートしました。
 
 次に政策医療を充実させる事も重要な課題でした。重症心身障害児(者)病棟の入院待機患者はゼロでいつでも入院可能な状態でした。そこで待機患者の多いひのみね総合療育センターと交流を行い、在宅患者の多くが入院よりショートステイを希望していることが分かり、新しく着任された小児科医の協力のもと逆に空きベッドを利用してショートステイを増やしていきました。
 
 次に取り組んだのは2017年12月に公表された徳島病院との統合計画です。独立行政法人、独立採算制、非公務員になった後での統合については、静岡富士病院の静岡医療センターへの統合が終了し、八雲病院の北海道医療センターと函館病院への分散移転統合が2020年に予定されています。いずれの病院も医師確保が困難となっての統合で八雲病院は院長を含めてわずか2人の常勤医師で病院を維持している状態です。これは研修医制度がスタートしてから大学の医局に残る医師が減少し、医局から地方に派遣する制度が崩壊して、都会に若い医師が偏在し地方に高齢の医師が残った結果なのです。つまり医師不足ではなく医師の偏在が原因で、今は研修医が病院を選択する時代、政策医療だけでは医師確保が困難になってきています。一般診療を行っている病院と一緒になれば、研修医や医師確保のチャンスが増加すると考えています。
 統合新病院は東徳島医療センターの地に整備されるため2か所の高速道路のインターチェンジや特急が停車するJR駅に近く、また大学にも近いため医師派遣が容易になりますし、多くの職員の通勤や患者さんの通院も便利になります。これからは合併症を持った高齢者が増加してくるため専門診療だけでは対応できなくなります。東徳島医療センターの一般診療が加われば徳島病院の診療機能もさらに発揮できるようになるでしょう。

 わが国は年間37万人の人口が減少しており、これは徳島市の人口が毎年消えていく数字です。徳島県も年間約1万人の人口が減少しており、田舎では患者数が減少していきます。国立病院時代に統廃合で病院を整理してきた古い歴史がありますが、これからは人口減少が統廃合を動かしていくのかもしれません。
 
 次は前院長から引き継いだ電子カルテの導入です。私も前の病院で10年以上電子カルテを使用していたので、当院の紙カルテにはかなりの不便さを感じました。医師確保に電子カルテは避けて通れません。大学で研修している医師は電子カルテで教育されます。これからは電子カルテの有無が異動の条件となり、電子カルテのない病院には若い医師が集まりにくくなります。病院経営からみれば電子カルテはかなりお荷物ですが、医師確保の面からみると最低限の条件です。いずれA.I.が導入されれば電子カルテの重要性はますます高まるため、医師会も電子カルテに診療加算を付けるよう国に提言しています。
 
 統合新病院が完成する時期に合わせて診療内容も充実させる必要があり、徳島病院の西野院長といろいろ議論をしている所です。
 人口減少、患者数減少の先に見えるものは何か?機構病院が担っている政策医療(セーフティーネット)をどのように守るのか、今真剣に考えなければならない。現状維持で本当に良いのだろうかと。

院長 木村 秀